本校では後期から,東京大学大学院教授の佐々木司先生,帝京大学医学部助教の北川裕子先生が開発しているタブレット端末搭載の精神不調アセスメントツール「RAMPS」を導入し,自殺企図の早期発見,早期対応に努めることとしています。
6月30日(火)に本校において,お二人を講師に迎えた教育相談に関する教員研修をオンラインで実施しました。
まず,佐々木先生から,「中高生は,一生のうちで最も精神疾患発症のリスクが高い時期であるが,助けが必要な生徒ほど助けを求めない」という思春期特有の難しさについてグラフや図を用いて解説していただきました。
対策としては,教員からの日常的な問いかけが最も有効ですが,臨床心理の専門家でないと問いかける言葉の選び方やきっかけのつかみ方などが難しいので,専門医の診療に基づいてつくられた「RAMPS」を質問ツールとして活用し,早期発見,早期対応に役立ててほしいというお話でした。
次に,北川先生より「RAMPS」ついて,実践例を挙げて具体的に説明していただきました。生徒は自殺願望や無気力感などを感じていても,直接問われない限り話さない傾向が強いというお話を伺い,生徒の心に焦点を当てることの難しさを改めて痛感いたしました。
このお二人には,勝田中等教育学校においても学術顧問として,生徒のメンタルケアについてご指導をいただく予定です。
本校では,「RAMPS」を活用しながら,今後も一人ひとりの生徒の心を大切に育む教育活動を進めてまいります。
思春期特有のリスクについて説明してくださる佐々木先生
北川先生には,質問一つひとつに笑顔で丁寧に答えていただきました。